感謝を籠めて

 
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タンパエリアの日本語情報誌、キーライム通信は、19984月号の発刊以来、今年の4月で15年目に入りました。日本から遥か7200マイル離れたタンパエリアで暮らす私達日本人にとって、当時は、必要かつ欲しい情報を日本語で得ることは不可能に近いことで、15年前に、今のようにインターネットで、必要な情報が寸時にして手に入り、印刷までできてしまう時代であったなら、多分キーライム通信は誕生していなかったのではと思います。地域の情報、アメリカで生活していく上で必要不可欠な情報、或いは知っているとお得な情報、こちらでの食材を使ったレシピ、観光情報、などなど、お互いが持っている情報の共有、活性化を目指し、異国での生活を、楽しく彩るお手伝いができれば、嬉しいなどと考えておりました。

 

98年頃は、コンピューターも日本語を打つことさえ難しく、ITに詳しい方にお願いしてOSを二つに分け、日本語のソフトを入れて頂き、印刷した記事を切り貼りしながら、イラストは由紀子さんが描きと、手探り、手作り、そのもので、まるで昔話のよう。原稿を作り、黄色い紙に印刷した、毎月のニュースレターの作業そのものが、今となっては懐かしい思い出です。

 

キーライム通信第一号のドラフトは、先月号の写真でご覧になったように非常にシンプルです。コピーを10部作ることと書いた小さなメモがついており、最初は10部からのスタート。知り合いの日本人は両手で数える数でした。それが20088月より、この地域の日本人コミュニティをサポートして下さるコニカ・ミノルタ社様のご好意で、300部を無料印刷して頂くまでになりました。メールで原稿を担当の方へお送りし、あとは素晴らしい出来上がりのカラーの印刷物をピックアップするだけという、夢のようなシステムが実現、本当に言葉に尽くしがたい程有難く思います。と、同時に責任も感じ、皆さんのご期待に応えるような内容の情報誌を目指して今後も頑張って行く所存です。2010年よりホームページも開設することができました。私共キーライム通信のこうした歩みは、ひとえに、応援してくださるコニカ・ミノルタ社様、長年に渡って応援を続けて下さる購読者の皆様方のおかげに他なりません。タンパベイエリアのみならず、他州、日本にも広がる購読者、応援者の皆様、15年間の暖かいサポート、本当に有難うございました。

 

一口に15年といっても、内外、公私共々本当に色々ありました。編集部のメンバーもそれだけ年を重ねたわけです。気がつけば、当時はなかった白髪、しわ(あっ、これは最年長のメンバーのみに起こった現象ですので、念の為)も。幸い私共スタッフは、誰一人、家族も含めて大きな病気もせずに、過ごすことができまして、それを何よりも感謝しておりますし、購読者の皆様、ご家族にとりましても、同様で健やかな15年でありましたことを願います。

 

過去15年間で一番大きな出来事は、2011311日の東日本大震災です。これは日本人の皆さん同じ思いでいらっしゃることでしょう。地震、津波、原発と三重苦が襲い、広範囲に渡って、被害が広がり、中でも原発は未だ解決には程遠いものがあります。有難いことに、世界中の人々から援助の手が差し伸べられ、タンパベイエリアの日本人を含む多くの方々も立ち上がりました。こうした応援の手に感謝すると共に、その被害の規模、深さから言って、被災者の方々の苦しみ、原発の被害など、日本への支援活動はこれからが本番と思わずにいられません。昨年はタンパベイエリアの日本食・オリエンタルレストラン、食品店、個人のオフィスなどの皆さんも、キーライムの支援活動に協力して下さり、驚く程の支援金を各所に送ることができました。私共の小さい力でも、波紋のように広がることの素晴らしさ、有難さに感動いたしました。そして今後も、地道ですが、たゆみない支援活動を皆さんと一緒に続けて行きたいと思います。キーライム通信を含め、支援活動の応援もよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

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