善良な在米日本人からの
切迫した感情を吐露されることが多いです。

殆どは「夜も心配で寝られない」です。
「真面目にアメリカで生きてきたのに、犯罪者扱いになるのか?」もあります。
日本という国から、
何も知らないアメリカに飛び込んで
必死に生きてきた人たちが、
この海外金融口座の問題を発見したときに感じる
心の衝撃の大きさは、このように非常に大きいものです。
「自分は真面目にアメリカで生きてきたのに、
このために前科者になってしまうのか?」
犯罪者になってしまう可能性があるのは、
このルールを知りながら、
税務申告に海外の金融口座からの利益を記載せずに、
もちろん海外金融口座の存在を意図的に
FBAR(海外金融口座のリポーティングのルール)から
外してきた人たちだけです。
つまり読者の皆さんが、この問題がわかった時点で、
真面目にルールに従ってただちに直そうとされている方でしたら、
心配される必要はありません。
犯罪者になりようがないのです。
IRSは、二つの救済措置を講じてくれています。
その二つとは、
(1)Streamlined Offshore Domestic (or Foreign) Proceduresと
(2)Delinquent FBAR Submission Proceduresです。
この二つの救済策の詳細については別の記事に譲るとして、
今回は大きくそのメリットと
海外金融口座の問題を発見したときの
アクションプランについて説明します。
救済策のメリット
1)Streamlined Offshore Domestic Proceduresのペナルティは、
年末の残高で一番高かった年の5%である。
IRSの過少納税の際の利子が年利3%であるとこと考えても、
何年も前の残高に対して5%というのは、それほど高くないと考えられる。
またペナルティの対象も年間の最高バランスではなく、
年末のバランスであるのも、数字が確定しやすい措置と言える。
2)Streamlined のForeign Proceduresと
Delinquent FBARの救済策には、ペナルティがない。
3)たとえ何十年も未報告でも、
これらの救済策のもとでの申告年数は6年間に限られる。
4)修正申告をしないといけない年も直近の3年間だけである。
5)救済策には、締切がなく、
気が付いた人はこの救済策をいつでも使用できるようになっている。
問題点に気が付いた場合のアクションプラン
では、皆さんは、問題に気が付いた時に、
どんなアクションを取れば良いのでしょうか?
以下にまとめてみました。
1)過去6年間の金融口座の
1. 最高残高、2. 年末残高、3. 利子などの所得金額、4. 銀行名、
5. 銀行口座番号、6. 銀行住所、7. 開設年、
8. 資金の出どころに関する自身での調査をスタート。
正確な開設年がわからなくても、
資金の出どころもあくまで一般的な記憶に基づかれて問題ありません。
2)日本の金融機関が
皆様の情報収集に対して協力的でなくても、あきらめない。
着実に前進しましょう。
3)残高証明等の証明書の取得は必要ない、
英文に翻訳してもらう必要なし。
4)過去6年分の税務申告書(連邦・州)を取り出す。
見つからない場合は、IRSなどからTranscript(納税記録)を取得。
必ず方法はあります。
5)専門家を使って税務申告をされていた人
ー その専門家に解決方法をすぐに相談。
6)自身で税務申告をされていた人は、
専門家に解決方法をすぐに相談
7)できるだけタイムリーに、
二つの許された救済方法で、
問題解決のための作業を開始する。
8)IRSは、問題がある場合にだけコンタクトしてきます。
何も便りがないのは、良い知らせです。
救済策を終えた人は、資料は5年間保管する義務がありますので、
安心して5年間待ちましょう。
問題解決に向かって努力をされれば、もう安心です。
いったん提出したものについて、
もう心配するのはよしましょう。
IRSから便りがないのが良い知らせです。
まあ明日から、明るい皆さんの未来のために、
元気に生きていこうではありませんか。
海外金融口座の問題点は、
決して「夜眠れないような問題」ではありません。
これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、
説明すべく日々努力しております。
またこれらの人たちが抱える問題は
日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、
リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。
この記事は複雑な税法や、複雑な規制を
できるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。
従って例外もたくさんあります。
実際にアクションを取る場合は、
必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。
なおこの記事に関するご質問はお気軽に藤本光まで。
kfujimoto@cdhcpa.com
YouTubeでも同じ内容を説明しています。
CDH会計事務所で検索してみてください。
また無料相談も行っています。
次のサイトからご予約できますので、是非ご利用ください。
https://outlook.office365.com/owa/calendar/Bookings@cdhcpa.com/bookings/
藤本さんご投稿の記事を掲載させていただきます。
どうぞお楽しみに!