Dolphin Tale: Winter’s Story

クリアウオーターの水族館 (Clearwater Marine Aquarium)にウインターと呼ぶ名のイルカがおり、このウインターに会う事が楽しみでやって来るお客さんが沢山おります。実は、ウインター(女の子)は有名なスターなのです。 ウィンターの物語が映画化されることになり、目下ハリウッドからの撮影チームがクリアウオータービーチに乗り込んで来ているようです。ウインターのエピソードには以下のような心の温まる物語が秘められているのです。

 

 


winterplatform.jpg200512月、ケネデイ・スペースセンターの近くの河で、母親イルカと泳いでいる時、彼女はカニ漁網に引っかかってしまいました。この時、まだ生後2~3 ヶ月の赤ちゃんでした。網にひっかかり、もがけばもがくほど、余計絡まってしまい、尾びれに血液が通わなくなってしまったのです。 12月に救助されたところからウインター(冬)と名付けられたとの事。 クリアウオーター水族館はウインターを養女として受け入れ、治療を開始したのですが、命は助かったものの重症でついに数日後には尾びれを失ってしまいました。まだ幼児のウインターは自分の身に起こった悲劇をどう感じたでしょうか。 獣医や飼育係の懸命な看護や励ましに応えウインターは尾びれがなくても、自分なりの泳ぎ方を見つけ明るい姿勢で頑張っているのです。その姿が私には哀れである反面、尊敬の涙さえ浮かぶのです。

 

獣医界や企業など各方面からのサポートで、ウインターに人工尾びれをつける試みが始まりました。然し、このようなプロジェクトはまだ世界でも珍しい事で、ウインターの健康に害のないよう、そしてウインターに喜んでもらえるように計らったものでなければなりません。人工装具の尾びれ自体、ウインターが好むレベルになるまでには少し時間が掛かるようで、それだけに毎日のトレーニングが大変重要です。 トレーニングを通じて築かれるウインターとトレーナーとの信頼こそが、この試みの成功の鍵を握っています。

 

通常、このような水族館の目的は3文字の R にあると云われます。 Rescue (救助) Rehabilitate (リハブ、回復)Release(放す)ですが、ウインターの場合は解放は不可能と考えられています。人工尾びれでウインターは満足しても、沖に放した場合は他のイルカから「あいつは変な尾びれをしてる」と、いじめられたり仲間はずれにされて、社交生活に悩む事になるのでは。日本にもこの例として、沖縄美ら海水族館で、「フジ」というイルカに人工尾びれを付けるプロジェクトで成功した話があります。 その物語は数年前にフジテレビで何度も放映されていたそうです。いずれにしてもこのドキュメントが感動を呼ぶのは、看護とトレーニングに於いて「どうかしてこのイルカが他の仲間と平等に泳げるよう」と願う一心で全力を注ぐプロジェクト関係者と、それに「有難う、あくまでもやって見せます」と決心したイルカの対応の内容が涙ぐましい筋なのです。

 

「フジ、もういちど宙へ」とか「ドルフィン・ブルー」とかDVDや本などをネットで販売していると思います。 ウインターの本、DVD、ギフト品なども、ネットオーダーや水族館のギフトショップで見ました。ここ21~3ヶ月間は、撮影の関係のために、クリアウオーター水族館は閉館のようです。正直なところ、ウインターがここまで生きるとは誰も思っていなかった。本当によかった。。。と救われて来たばかりのウインターを水族館で見た日のことを思い出します。これはウインターが自分の将来を目指す夢(Winter’s Dream) なのです。 まだウインターは子供ですしどんな困難も克服し優秀なイルカとして成長すると、私は思っています。

 

私達の住むタンパベイ地域は海に囲まれ、海洋学には非常に恵まれています。 水族館や公園へ行くのは勉強にもなり、私は何か学んだと思って帰る時の気持ちが好きです。クリアウオーターの水族館はタンパの水族館やアトランタの水族館に比べて小規模ですが、私は立派な研究所のように思います。

 

メデイアの情報ではこんな不景気な時にこうした良い話が出て、これこそクリアウオータービーチ近隣を中心にタンパベイ地域の経済盛り上げとなるだろうと明るい話題となっています。映画の成功とウインターの幸せを祈りましょう。

ウインターのサイト

 http://www.seewinter.com/

読者投稿: プランタムラ伸子(Kathy)さん

タイトルとURLをコピーしました