2022年4月号 特集: 有罪・無罪の別れ道ー海外金融資産報告

クロスボーダーライフをサポートする

海外金融資産の未報告の救済策を利用する条件は、
「故意で
隠蔽ではない」、つまり英語では Non-willfulness Violation
です。
今回は、故意と見なされる3つのケースについて、
IRSの監査官のトレーニングマニュアルを参考にして説明します。

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違反を知っていた場合 (Willful Blindness)
1)ルール違反は知っていたが、
IRSは私の違反をどうせわ
からないとタカをくくっていて報告をしなかった。

2)過去にFBARのファイリングを行っていたが、
ある時
以降ファイリングを行わず、
その口座からの所得も税務申
告に載せなかった。
つまり明らかにルールを知っていたと
思われるケース。


3)FBARのファイリングに関するWarningをIRSから受け
取ったが、
ファイリングを行わなかった。
通知を受けてい
ながらアクションを起こさなかった。


謀な違反 (Reckless Violation)


該当する人が、自身の職業や、その人が受けた教育内容から
考えて、
当然知っているべきルールであるのに知らなかった
場合。

筆者が解釈するとすれば、
米国CPAや、大学で会計学、
金融などを専門に勉強された方、
会計事務所の税務部門で
仕事をしていた人なども、該当すると考えられます。

例を
筆者が考えました。

例えば、交通標識を製造する責任者が、
交通違反をして、
ある標識の意味が分からなかったと言い張る
ケースでしょうか。

もちろんケースバイケース、つまり個別の
状況で大きく左右されると思います。


故意な無知 (Willful Blindness)


FBARのルールについて、意図的に学ぼうとしなかった場合と
定義されています。

その例としてForm 1040のSchedule Bの
Part IIIで
「海外金融口座がありますか?」の質問に対して、
「はい」と答えながら、FBARをファルしていなかったり、





あるいは「いいえ」と答えながら、
FBARをファイルして
いなかった場合にも該当すると記載されています。

ではどの
ような記入をすれば良かったのかの議論になります。


ここでは、以下のように考えられていると判断します。
Form 1040のSchedule Bの上で、下記がしっかり記載されて
います。


”At any time during 2021,
did you have a
financial interest in
or signature authority over a
financial account
(such as a bank account, securities
account, or brokerage account)
located in a foreign
country?
See instructions…
If “Yes,” are you
required to file FinCEN From 114…?


IRSは、これだけ明確に税務申告書のフォームの上で
質問して
いるのにも関わらず、
納税者がFBARを知らなかったとする
のは、
「故意な無知」であると判断するのだと思います。

こちらもケースバイケースであると考えられます。


次回は、この判定にどのような資料が
判断の根拠に使われる
のかについて、説明します。


* * *


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この記事は
複雑な税法や、複雑な規制を
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したがって例外も
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参考サイト

https://www.ors.gov/irm/part4/irm_04-026-
016#idm140372786711184

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ご投稿: 藤本光Koh 様
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