健康:二次受傷について

 

元タンパベイ住人で、現在はシアトルにお住まいの、YAMAGISHIさんから「二次受傷」について

投稿を頂戴しました。投稿を読んでみると、思い当たることばかり。。。。

きっと同様な経験をなさった方も多いことでしょう。


 

「東日本大震災」は米国に住む我々にも大きな影響を与えました。日本の家族が被災しなかったとしても、悲惨な映像をTVやインターネットで見る事で間接的に影響を受けているのです。これらは「二次受傷」と呼ばれ、他人の苦しみを見たり聞いたりする事で受ける精神的影響です。


その症状としては、地震の映像が頭の中で繰り返される、悪夢を見る、家族の安全を極度に心配する、何も感じない、無気力、将来に希望がもてない、ピリピリしている、怒りっぽい、睡眠障害、集中できない、人と接したくない、鬱、罪悪感、酒、煙草の量が増える、体調不良(頭痛、胃腸障害、動悸、息切れ)などです。

上記に加え、こちらに住む日本人は「何もしてあげられない」「日本の家族が停電などで不便な生活を強いられているのに、助け合ったり、力になったり出来ない」と自分の無力さを感じたり、日本の家族に「帰って来なくていい」とか、こちらに呼び寄せてあげようとしても来てくれない、などのショックを受けている人も多いはず。

また、国際結婚している人の中には、「震災後、長く落ち込んだり、精神が過敏になっている自分の状態を相手が理解してくれない」と配偶者の地震への反応が自分と大きく違う事に悲しみや、怒りを感じている人もいます。海外生活者にとって、遠く離れた故郷での災害は大変に複雑です。平常時は「日本は平和で、家族は元気」と言う精神的基礎があり、その上でこちらの生活や仕事、勉強、家事、子育てが成り立っているのであって、今回の災害はその基礎が揺らいでしまった出来事でした。「もし自分の家族に何かがあったらどうしよう」と言うのは誰もが最初に考えた事でしょう。

 

この「二次受傷」の回復方法は、まず同じような立場の日本人と気持ちを語り合う事です。落ち込んでいる時は、地震などのニュースは避け、気分転換を図ることです。バランスの良い食事をし、カフェインや酒などの刺激物は控える事。適度な運動をし、腹式呼吸をして、心と体を落ち着かせてください。日本の家族にやってあげたいことは遠慮をせずにやってあげましょう。災害に関して温度差のある配偶者には、以上の説明をして自分の状態が「海外生活者が感じる当たり前の反応」である事を理解してもらうことです。 (Tom Yamagishi

 

 

YAMAGISHIさん有難うございました。二次受傷についての詳しい説明は下記のサイトをご覧ください。

 

http://www.jstss.org/topic/treatment/treatment_23.html

 

 

 

 

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