塩の話 – パート1

2025年3月号で、
Pure Kitchenオーナーの
恭子ファイソンさんのインタビューを
興味深く読ませて頂きました。
特に、その時語られた
良い塩の話は目から鱗でした。
今月号は、
身近にあり過ぎて
知っているようで知らない塩について、
日米の塩情報を色々調べてみました。
* * * * * *
ミネラルって何?

塩について調べると、
化学知識の簡単なおさらいの必要性を感じます。
まずは嫌と言うほど出てくる単語、
ミネラルについて。
ミネラル(mineral)は、
一般的な有機物に含まれる
4元素 (炭素・水素・窒素・酸素) 以外の必須元素です。
無機質、灰分 (かいぶん) などとも称され、
蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミンと並び
五大栄養素の1つとして数えられています。
日本では13元素
(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・
ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)が
健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として
厚生労働省により定められている由。
もっと突き詰めていくと延々と続きますが、
ページの関係でここまでです。
尚、ナトリウム(Na)と塩素(Cl)が
結びついて生成されるのが塩(塩化ナトリウム、NaCl)です。
ナトリウム(sodium)の働き

更なるおさらいは、
塩を語るうえでの必要不可欠な
ナトリウム(Na)についての基礎知識にです。
地球上の多くの生物は、
適量のナトリウムがないと
生命を維持することができません。
ナトリウムはカルシウムなどのミネラルや
たんぱく質が血中に溶けるのを促して、
体内で正常に働けるようにサポートしています。
また、ナトリウムの過剰摂取(塩分の取り過ぎ)は、
血中のナトリウムイオン濃度を
一定範囲に保つために水分を取るようになり、
血液を含む体液の量が増えて血圧が高まると共に、
これを体外に排出する機能を司る腎臓に負担がかかったり、
様々な病気の遠因とされています。
塩の重要性

塩は、前述のように、
塩化ナトリウム(NaCl)を主な成分とし、
海水の乾燥・岩塩の採掘などによって生産されています。
地球の生物の生命を維持するナトリウム、
その供給源である塩は
生命にとって欠かせないものであり、
特に人類は、発汗能力を発達させた代償に
他の動物以上に多くの塩分を必要としています。
これだけ科学の発達した現代でも、
塩に代わるものを人工的に造り出す方法はありません。
(砂糖や酢の成分は、他のものでも補給することができます)
また味覚的にも、
食物に塩をふんだんに利用するようになると、
メカニズムは完全には解明されていないものの、
塩分の取り過ぎが
様々な病気(高血圧、腎臓病、心臓病、脳卒中)に
関連しているとされています。
日本の塩事情

日本では岩塩としての資源がなく、
固まった塩資源は採れません。
また、年間降水量も、
世界平均の2倍であることから、
日照時間が比較的長い瀬戸内地方や能登半島など
一部地域以外は塩田に不向き。
このため、塩を作るには、
もっぱら海水を煮詰めて作られます。
これは、天日干しに比べて、
燃料や道具などが必要になるため、
コストがかかり、大規模な製塩には向かない方法です。
そのため自給率は、食用塩が85%で、
工業用を含めると、
全消費量の85%を輸入に頼っています。
塩の原材料

現代では、海水や湧き水からの精塩や、
岩塩採掘により塩の採取を行っており、
塩は大きく分けて、以下の4つの原材料から作られています。
一口に「塩」と言っても、
世界中には様々な種類の塩があり、
味や口当たり、塩分の強さなどは、
それぞれ産地や製法によって異なります。
1)岩塩(主にヨーロッパ・北アメリカ)

岩塩は、かつて海であった土地が
地殻変動により地中に埋まり
海水の塩分が結晶化した地層から採掘できます。
北アメリカやヨーロッパで多く使われている岩塩は、
塩化ナトリウムが結晶化したものなので、
ミネラルはあまり含まれていなくて
塩辛いものが多い。
岩塩はピンク色をした
アンデス岩塩やヒマラヤ山脈の岩塩が有名ですね。
2)海塩(シーソルト)
(主に西ヨーロッパ、メキシコ、オーストラリアなど)

海の水から取れた塩で、
海塩は主に天日製塩法で作られます。
この製塩法は、海水を塩田に引き込み、
1 – 2年程度の期間で
塩田内の細分化された濃縮池を巡回しながら
太陽と風で海水を濃縮していき
採塩池で結晶化した塩を収穫します。
他の塩にくらべて
ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムと言った
ミネラル成分が多く含まれています。
3)湖塩

死海、カスピ海、バルハシ湖、グレートソルト湖などの
塩湖から採れるもので、生産量は10%程度。
味や成分は海水塩と岩塩の中間のようです。
4)井塩(山塩、地下塩水塩)

大陸の内陸部である中国四川盆地富順県、
古代にツェヒシュタイン海という塩湖があったドイツなどで、
塩を含んだ塩化物泉の温泉・地下水からの製塩(塩井)が行われ、
井塩(せいえん)が製造されています。
日本では、
福島県の大塩裏磐梯温泉や
長野県の鹿塩温泉などで
温泉から製塩が行われています。
* 世界の塩の生産量は、
2008年で2億650万トンと言われており、
そのうち海潮(天日塩)が約36%です。

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この特集は8月号に続きます。
ページ担当:ハインズのり子
