特集:日本の銀行口座

アメリカへの留学、駐在あるいは永住などで、こちらで暮らしている方、日本の銀行口座はどうしていらっしゃいますか?毎年里帰りされる方々も多く、銀行口座がないと不便ですよね。これまで皆さんに聞いてみると、ケースバイケースで一概にひとくくりすることはできません。最近は日本ではマイナンバー制が施行され、海外居住者はマイナンバーは持てませんし、世界中で問題となっているマネー・ロンダリング防止の為に今までと違って送金(日本⇔アメリカ)は色んな面から難しくなっているようです。海外居住者が知っておくと便利な日本の銀行情報について、銀行のHPなどを調べ、それをまとめてみました。これは20202月現在の情報で、今後変更の可能性もありますし、最新の情報は各金融機関のホームページなどでお調べください。又、注意しなければならないのは、20157月号に掲載してありますが、預金額によってはFATCA(Foreign
Account Tax Compliance:外国口座税務コンプライアンス法)により税金申告をしなければ場合があり、銀行側も米国側の要請により米国側の納税義務者である場合は、米国税務当局に報告するシステムになっています。
https://keylimenewsletters.com/2015/07/post-357.html

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海外居住者の銀行口座について:

日本国内に一年以上住所を有しない(一年以上国外に居住する)場合、役所で(転勤者:海外転勤届を提出し)、住民票を転出することで、「非居住者」となることができ、この場合、日本国内で年金や保険の支払いをする必要がなくなります。しかし一方で非居住者となると日本に住所を持たないことになるので、通常通りのサービスを受けられなかったり、手続きが複雑になります。殆どの銀行は、海外居住者には口座の解約を推奨しています。

1) 海外転居後も日本の口座を使う方法

☆各銀行の非居住者サービスを利用

銀行によっては、非居住者でも日本の口座を使い続けられるよう、特別なサービスを提供しているところがあります。日本を出国する前に申請しておけば、海外からでも振替、振り込み、残高照会、海外送金などのサービスが利用できます{2)を参照}

☆代理人を立てる

殆どの銀行では、口座の名義人とは別に、家族・親族などを代理人として立てることができます。事前に代理人届と委任状を提出すれば、登録された代理人が銀行のサービスを使うことができるようになります。この場合、出国前に銀行の登録住所を代理人のものに変更しておく必要があります。(代理人を立てることが可能か銀行に確認してください。)

2)非居住者向けの銀行口座サービスがある日本の銀行

☆ゆうちょ銀行:非居住者は基本的に口座を解約する必要がありますが、続けて利用がある場合は利用代理人を立てることで口座の維持が可能になります。(2019年以降はマイナンバーの提出が必要)https://www.jp-bank.japanpost.jp/information/mynumber.html

☆三菱UFJ銀行:三菱UFJ銀行のインターネットバンキング「三菱UFJダイレクト」のオプションサービスとして、「グローバルダイレクト」を申し込むことができます。これにより次のことが可能です。(残高・入金明細照会、外国送金、本人口座への振り替え、定期預金の取引、外貨預金の取引)出国前(なるべく早めに)に申し込みすること。月額利用料300円(マイナンバーの提出は、任意の場合と、口座によっては必要な場合があります。)https://www.bk.mufg.jp/ippan/law/mynumber.html

☆三井住友銀行:出国の3週間前にSMBCグローバル・ダイレクトを申し込むこと。これにより次のことが可能です。(残高・入出金明細照会、国内振り込み・振り替え、外国送金、電子メール配信サービス、海外の住所へのお取引総合レポート郵送)月額利用料216円(マイナンバーについては、今のところ、言及していない。)

https://www.smbc.co.jp/kojin/kaigaiservice/globalservice/index03.html

https://qa.smbc.co.jp/faq/show/2453?category_id=8&site_domain=default

SMBC信託銀行(プレスティア

登録住所を国内から海外に変更する際、書類提出の手続きが必要。詳細は早めに銀行へ確認してください。非居住者となった場合も、プレスティアオンラインなどを通じて、SMBC信託銀行プレスティアの銀行口座は利用できます。残高・入出金明細照会、外貨預金の取引、プレミアムデポジットの取引(米国居住者は利用できない可能性がある、)登録済み送金先への送金、送金資金の受け取りなどが可能。非居住者はバンキングカードによるATMでの振り込み、またはプレスティアオンライン・モバイルでの国内振り込みはできません。バンキングカード(国際キャッシュレスカード)の申し込みをすることで、海外で現地通貨が引き出すことは出来ます。プレスティアのドル口座に米ドルがあれば、プレスティア外貨キャッシュカードを作ることができますが、いずれも出国2週間前までに申し込みが必要。月間平均総取引残額が1000万円相当額以上の人向けにプレスティアゴールドという特別サービスがあり、送金手数料無料をはじめ、幾つかの特典があります。(マイナンバーについては令和3年までに提出を勧めている。)

https://www.smbctb.co.jp/banking/overseas_usage/scene_3/index.html

https://www.smbctb.co.jp/mynumber/

☆りそな銀行

非居住者円預金が可能です。但し、その制約、手数料、税務上のことはかなり複雑で、詳細は下記のサイトをご覧ください。りそな銀行のサイトで、「非居住者円預金」でも検索できます。

https://www.resonabank.co.jp/pdf/enyokin.pdf#search=’%E3%82%8A%E3%81%9D%E3%81%AA%E9%8A%80%E8%A1%8C+%E6%B5%B7%E5%A4%96%E5%B1%85%E4%BD%8F%E8%80%85′

☆ソニー銀行(インターネットバンキング)

ソニー銀行は、海外転居後もログイン後「各種手続きー国外への住所変更」で手続きすることで、サービスを継続して利用することができます。但し、居住地国で「納税者番号」が発行される場合は、納税者番号を届け出る必要があります。銀行からの郵便物や連絡を送付する為に国内に居住する人の連絡先が必要。外貨送金は取り扱っていません。

https://moneykit.net/visitor/info/info161212_01.html

番外☆みずほ銀行

「海外勤務者向け日本国内送金サービス」があり、出国前にこのサービスを申し込めば日本国内の振り込みを国内振り込みと同じ手数料で、みずほダイレクトから簡単に行えるそう。ただし、対象者は国内居住者のみとあって、調べた限りでは、いまいち??な説明でしたので、詳細は銀行へ直接お問い合わせください。

https://www.mizuhobank.co.jp/direct/help/goriyo/joken/kaigai.html

https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/ebservice/shikin/mgeb/case.html

マイナンバーについて

マネーロンダリングをするわけでない大多数の海外居住者には、マイナンバー取得が大きな障害となって、個人的には不公平感を持たずにはいられません。いずれは海外居住者向けマイナンバーが実行される可能性があるようですが、現時点で、マイナンバーが必要と言われた場合の対策です。(短期滞在の場合)

1) 里帰りの際、必ず「入国日が書かれたスタンプを」を空港でパスポートに押してもらう。

2) 役所に出向き「住民登録」の転入届をする。(ホテル滞在などの場合は無理ですが、ご実家やご親戚の家に滞在できる場合、その住所で)パスポート、印鑑、1000円位の現金を持参。(役所によっては短期滞在の場合は転入届を受理しない場合もあるそうなので、注意してください。)

3) その際、マイナンバー付きの住民票を発行してもらう。(1~2時間位かかるそうです)

4) これでマイナンバー付きの住民票をゲットできましたので、銀行へ提出できます。

☆住民登録の転入届をすると、1週間くらいでマイナンバー通知カードが転入届をした住所に届きます。それをもって役所に行き、マイナンバーカードの申請をするのですが、これには1か月くらいかかりますので、短期滞在の場合は無理ですが、上記の手続きで、1日で、マイナンバー付きの住民票がもらえます。但し、日本出国の場合は転出届を提出しなければなりませんので、日本から住民票を外した時点で、マイナンバーの効力は失効します。毎年里帰りし、転入届をすれば、再度マイナンバー通知カード(同じ番号)が発行されます。

https://www.bk.mufg.jp/ippan/law/mynumber.html

しつこいようですが、こうした情報は変更が、多々ありますので、最新の情報を各銀行でご確認ください。

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