6月号表紙:20回目の6月を迎えて

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着陸態勢になった飛行機の窓から、初めて見たタンパの美しい夜景が今でもありありと目に浮かびます。あれは1994年。果たしてここでちゃんと生活していけるのか不安を抱えて降り立った町で、20回目の6月を迎え、キーライム通信も16回目の6月号の発行となりました。タンパの6月はそれぞれの年にもよりますが、とにかくとびきりの湿気で、表に出ると噎せ返るような熱気に当てられて、フワ~ッと眩暈がしますし、7月、8月より格段に暑さの勢いが違うと感じるのは私だけでしょうか?毎年夏になると、もう耐えられない。今年こそ、避暑地へ行くゾ!と思いつつも、実現はせず、あっという間に涼風が立つ頃になっていたという繰り返しで、こうして気がつくとふた昔が過ぎようとしています。

この間には大きな出来事が沢山ありました。特に911、そして311の東日本大震災といった大事件、大災害は世の中の流れを変え、暮らしぶりも変化し、私達の価値観も異なってきたように思えます。今後は10年、20年といった単位だけではなく、未来永劫、このような忘れがたい大事件、大災害を超えるような事がなく、当たり前の毎日が当たり前に続いて行って欲しいと心から祈ります。

個人的には20年の間に、義父母、叔父達、叔母などを見送り、昨年は母が旅立ちました。でも2人の甥達がそれぞれ結婚し、子供が生まれ、従妹弟の子供達もそれぞれ結婚と、人数的なマイナス・プラスは帳尻があって、却ってプラスが上回ったりしています。平穏な毎日に見えても、少しずつ、でも確実にかけがえのない人達との別離の時が近づいてはいるのだけれど、それに代わる新しい出逢いも続いてやって来るのです。去った人達との縁(えにし)を感謝し、一緒に過ごした時を愛しみ、惜しむと共に、否応なしに廻っていく世の中のサイクルの必然性にも気付かされました。遥かな昔から人の命の流れはめんめんと続いて来ており、これからも続いていくことでしょう。無常という言葉が妙に実感できる昨今ですが、それだけに、今この一時を、悔いなく、感謝して、大切に過ごしたいと、しみじみ思います。

さて、暑い暑い6月ですが、今年も、タンパ夏祭りが開かれます。浴衣、氷、すいか、金魚すくい、ようよう釣り、盆踊りなど、日本の夏が満載されています。新しいロケーションは屋根付きですので、雨の心配も大丈夫ですし、例年にも増して、沢山の皆さんが参加なさいますように。学校もいよいよ夏休みに入り、お子さんと共に日本へ里帰りなさる皆さんも多いことでしょう。元気で楽しい夏休みをお過ごしください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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