ここアメリカでは11月と言えば収穫感謝祭。感謝祭は、イギリスからマサチューセッツ州のプリマス植民地に移住したピルグリムファーザーズの最初の収穫を記念する行事であると一般的に言われています。
ピルグリムがプリマスに到着した1621年の冬は大変厳しく、大勢の死者を出したが、近隣に居住していたインディアンのワンパノアグ族助力により生き延びることができました。翌1621年の秋は、とりわけ収穫が多かったため、ピルグリムファーザーズはワンパノアグ族を招待し、神の恵みに感謝して共にご馳走をいただきました。・・・というのが定説で、この話は子供たちの劇にもなっていますね。筆者が読んだ一説によりますと、こういう楽しい話になったのはそう昔の話ではないらしく、一説には1620年に彼らがアメリカ大陸に来た時点で、ニューイングランド周辺にいたインディアンのうち約90%は病気(主にインフルエンザ)により死亡していたそうです。その結果、1620年にピルグリムファーザーズがプリマス植民地にやってきた時には、無人状態となったインディアン達の住居や日用品を使うことで厳しい冬を過ごす事ができたということだそうです。したがって、インディアン達が彼らに食料や毛皮のジャケットなどを提供し、両者の間に友好関係があったとされるという事実は確認されていないということです。その他にも収穫感謝祭の背景にまつわるいろいろな話がありますが、どれも「お祭り」を思わせる楽しいものではありません。事実とは異なった話が一般になっている背景には、マサチューセッツ植民地の統治者ウィンスロップが、アメリカにはインディアンとの間の戦争や虐殺、略奪という暗い歴史しか無いので、「明るい話を広めよう」と使われたとも言われており、なんとも、まあ、いい加減といえばいい加減なモノです。ま、(ここで気をとりなおして!)それでも「収穫に感謝するお祭り」という名前がついているのですから、なにはともあれ友人家族とごちそうを囲んでお祝いしましょう!