特集:メディケア・アウトラインまとめ

 

3月号でお届けしましたメデイケアアウトラインは、かなり古い情報でした。申し訳ありません。

河野圭子さんに改めてご校正頂き、3月号アップデート版を掲載いたします。さらなるメディケアの情報は、圭子さんよりご寄稿を頂き、7月号に掲載させて頂きます。お二人の小さなお子さんを抱え、お忙しい中キーライム通信の為にお時間をさいて下さいました河野圭子さん、本当に有難うございました。

 

 

 はじめに

 

この数年で「公的」保険のメディケアは「民間」色が強まってきたように感じます。

以前メディケアは、「連邦政府が運営する」公的老人医療保険だけでした。 それが、1997年にメディケアの一部の運営が民間保険会社に委託(パートC:メディケア・アドバンテージ)されるようになりました。

2006年には外来処方箋薬保険(パートD)が始まり、運営は、全て民間会社に委託されました。

現在では、連邦政府が運営しているのは、オリジナル・メディケアだけ。 さらに、かつて一律だったパートBの保険料は、所得段階別保険料が設定されました。

 

そこでメディケア受給者が、オリジナル・メディケア(連邦政府運営メディケア)か、メディケア・アドバンテージ(民間委託型メディケア)にするか、自分のニーズを考えて選択する時代に入りました。

その選択に参考になるように、これから2回に分けて、3月号では、メディケアの概要、受給対象者、メディケアの内訳(パートAB,C,D)、そして、6月号では、メディケアの種類(オリジナル・メディケア、メディケア・アドバンテージ、メディギャップ)の選び方について紹介したいと思います。

なお、2回の連載では、基本的な情報提供に留めていますので、さらに詳しく知りたい方は、www.medicare.gov を参考にして下さい。このサイトのresource locator では、郵便番号、薬剤名などを入力すれば、メディケア関連の保険の一覧(保険の概要、保険料など)が見られます。

 

メディケアとは?

 

連邦政府が統括している公的老人医療保険です。実際のメディケアの運営は、連邦政府と民間委託の2通りになっています。

 

 受給対象者

 

65歳以上の高齢者

65歳未満の心身障害者

・年齢に関係なく人工透析や腎移植が必要な最終期腎臓疾患患者

 

メディケアの種類

 

1. パートA(病院保険)

・入院、入所(病院、スキルドナーシング施設、ホスピス、在宅治療の一部)に対する保険。

・必要条件*を満たしていれば、保険料は無料。

*注意:パートAを無料で貰うためには、65歳までにメディケア税を少なくとも10年以上収めておくこと。メディケア税は、w-2フォームに記載されています。なお、自分に所得が無く、メディケア税を納税していなくても、配偶者が納めていれば、配偶者を通じて貰えます。

 

2.パートB(外来医療保険)


・ドクター・フィー、外来治療費(ラボテスト、大腸スコープ検査、心臓機能検査などの各種検査、ER費など)、在宅治療の一部、検診費用をカバー。

・保険料は、所得段階別保険料が設定され、月額115.4ドルが一般的で、上限は、369.1ドル(2011年)

・自己負担額は、メディケアが設定した医療費の二割負担。

・外来日帰りオペの場合は、パートBでドクター・フィーとホスピタル・フィー(施設費)との両方がカバーされます。

 

3. パートC (メディケア・アドバンテージ: 民間委託型メディケア)


・メディケアから許可を得た民間医療保険会社が運営するマネージド・ケア型(HMOPPO)のメディケア。詳しくは、6月号のメディケア・アドバンテージを参考にしてください。

4)パートD: 外来処方箋薬の保険


・外来処方薬の保険。

・念のために、入院中に投薬される薬剤や点滴剤などは、パートAでカバーされます。
・保険料は、月20ドルから100ドル前後

~7月号に続く~

 

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