夏祭りの後、タンパベイエリアの日本人として思うこと

 6月22日土曜日、13回目となる「タンパ日本夏祭り」が 開催されました。今年も暑い中、たくさんの親日家たちが訪 れ、子供たちの催し物や日本のものを販売するベンダーの皆さ んでにぎわいました。わたしたちキーライムグループも、20 11年3月11日に起きた津波震災以降、義援金を募るために チャリティークラフトのブースを出店させていただいており (これらのイベント等で募った義援金は全額、福島の小学校、 ペットシェルターに送金)この「タンパ夏祭り」の変わってゆ く姿を尊敬の気持ちを持ちながら見守ってきました。

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 もともとこの「タンパ夏祭り」は、JET PROGRAMで日本に 滞在したジョン・マギーさんが日本の夏祭りに感銘を受け「タ ンパで再現したい」と13年前に始めたもの。そう、日本人では ない、アメリカ人のジョンさんが始めてくれたのです。

 最初に協力して欲しいと言われた時は、うまくいくかなあと半信半疑でしたが、彼がローリーパークの脇の公園で小規模ながら「夏祭り」を始め、金魚すくいやヨーヨー釣りなど、全て自費で用意していたことに、わたしたちは驚きを隠せませんでした。

 その後、JET ALMUNIの皆さんや、日本好きの人たちの協力 や寄付により、手作りの食事や飲み物、食器なども皆で寄付し あい、規模が少しずつ大きくなりました。ジョンさんのアメリ カ人の奥様が作った浴衣がゲームの景品だったことも!その 後、JET ALMUNIのグループがNPOを設立し、お祭りの食べ物 もフードライセンスを持つ業者へと移行。ジョンさんも10年 を節目にサポートという形へ回りました。日本人が主催してい るわけでもないこの夏祭りが、13年間も続いているのは、JET ALMUNIの努力と熱意に他なりません。

 イベントで着物・浴衣の着付けをなさってくれている日本人女性たちがいます。くる人たちはみな大はしゃぎで着付けてもらい、その写真を撮り、日本が大好きでいつか行ってみたいと話してくれます。日本の文化を知ってもらうために、ボランティアで着付けをなさっておられる方たちは、ご年配の方たち。冗談で「来年もここに元気に 来られるといいのだけど~」なんておっしゃられるのを聞くと、お手伝いをして、負担を軽くしてあげなければ!と思うわけです。


 タンパでは、日本の物が欲しければ、自分たちで作るしかありません。ネットや近郊のアジア食料品店でずいぶん入手できるようにもなりましたが、キナコ食べたさに大豆を炒り、釣ったアジを開いて干物を作り、ダ○ルソフトみたいな食パンを焼いていました。日本の文化をアメリカ人に知って貰うには、自分の子供たちにも伝えて行くには、自分たちでやるしかないのです。キーライム編集部のママたちは「日本語補習校」を自分たちで発足し、運動会や七夕祭を開催していたのですよ!

 わたしが考えるのは、皆さんにも今一度考えていただきたいのは、タンパベイエリアに住む日本人たちの立ち位置です。

 日本人は増え続けているけど、SNSなどもあるし、自分の仲の よい人たちと連絡がとれて、それなりに楽しくやれればいいと いうスタンスなのかもしれません。

 ではたとえば、もしこのお祭りが続けられなくなったら、折角夏祭りで立ち上がったタンパでの日本への関心の拠点も弱くなるでしょう。それって、なんだか悲しすぎやしませんか?

 この夏祭りはアメリカ人の方々が立ち上げてくれました。それを続けて行くには、日本人の協力が何より必要だと思ってなりません。他力本願ではなく、タンパで増えている日本人たちがもっと応援をすれば、もっと若い方々の協力が得られればと思ってならないのです。

 皆さん、子育て、仕事で忙しい時期でしょう。自分の日常生活で必死だと思います。わたしだってそうです。フルタイムの仕事、子育て、夫との人生プロジェクト、もうバッタバタでキーライムの記事だっていつも締め切りギリギリ。

 でも、タンパに住む日
本人として、タンパ夏祭りにきてラーメン食べて帰るだけでいいの?!と、問わせてください。いや、足を運ぶことすらしないのは、どうなの?!と問わせてください。


 「自分にもなにかできることはないか」あと少しだけ、プロアクティブに参加することで、そんな姿を自身のお子さんに見せることで、年配の先輩たちが汗だくで日本文化を継承しているのに少し協力することで、いつかきっと幾つかの種が発芽して育って行けるような気がしてなりません。

 生意気なようではありますが、注意喚起の意味を込め、皆様にも一度立ち止まって考えていただきたかったことなので、ここに書かせていただきました。

 ちなみに、わたしは諸先輩にアドバイスを仰ぎ、来年こそはキーライムの横で「浴衣着付け」ができないかと模索中。浴衣を寄付してくれる方、一緒にやってくださる方、なにか手伝いたいと思った方、ご連絡ください。お待ちしております!

宛先 keylimenewsletters@gmail.com 

ページ担当:キルゴ亜矢

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