特集1:市民権の取得 ーアメリカ人になるー

今回は市⺠権の取得について私見を書かせていただきます。あくまでもわたしの体験談がもとであり、米国の弁護士でもなんでもないわたし発信の情報ですので、そこはご了承くださいませ。
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まず、市⺠権を取るには、ある一定の条件をクリアしている必要が あります。申請可能になるタイミングしかり、その人の状況により それぞれ異なります。例えば配偶者がアメリカ国籍であるとか、何 年グリーンカードを保持しているかなどで変わってきますので、 USCISのウェブサイトでご確認ください。www.uscis.gov/us- citizenship/citizenship-through-naturalization (You May Qualify for Naturalization if:)


必須条件を満たしている場合、必要書類をすべて揃えたら、オンラ インで申請できます。https://www.uscis.gov/n-400 わたしが 取得したときは、このオンライン申請がなかったので、すべてコピー を取り封書で送りましたが、果たして届いているのか、今どの状態 なのかも不安なまま、忘れたころにひょこっと封書でお知らせが来 ます。これがかなり大事な内容の封書なわけで、もし紛失して届か なかったらどうなるんだ!?とか思っていたわけです。オンライン 申請を行う利点は、サイトにログインして自分のプロセスの状態が 確認できたり、指紋採取の指定日時や面接日時のお知らせなども確 認できるようになるので、絶対オンライン申請をお勧めします。

そして、取得までのプロセス自体も絶対オンライン申請の方が早い 気がします。提出が必要な書類も、その人によって変わってきます。 過去に取得してきたビザのコピーだったり、離婚していて子供がい たりすると各証憑・証明書類が必要だったりします。こちらもウェ ブサイトのチェックリストを確認してください。https:// www.uscis.gov/n-400(Checklist of Required Initial Evidence)

気になる申請料金は、合計$725 です。申請費は$640ですが、指 紋採取の$85 が加算されるのでこの金額です。申請から取得までは、 2018年の時点で5ヶ月〜7ヶ月ぐらい(亜矢調べ)私が取得した数 年前は10ヶ月かかっています。

そして、書類がすべて受理・監査された後にやってくるインタ ビューについて。アメリカにきた経緯や在住年数を聞かれ、簡単な 英語の読み書きのテスト、それからアメリカの国家・政治・歴史に 関するテストを受けます。この政治と歴史のテスト教材たる薄い本 を指紋採取のときだったかに受け取るのですが、100問あり、10問 中6問受かったら合格です。わたしはズボラなのでギリギリまで待 ち、インタビュー二日前から丸暗記作戦。早くから始めてもすぐ忘 れそうじゃあないですか。笑 当日は面接官の質問にかなりかぶせ てまるでクイズ番組のように食い気味に答えていたら、3問終わっ たあと「勉強してきたのですね、もういいです」とあっさり終了。 せっかく丸暗記したのにちぇっと思いました。

申請における必須条件 や証憑については、 USCISのウェブサイト に詳細があるので割愛 しましたが、では「グ リーンカードと市⺠権 の大きな違いはなんぞ や」を見て見ましょう。

受けられる医療、福祉、SSNベネフィット、学生ローン等での差異はみられませんが・・・

1)選挙での投票権 アメリカ人になると、投票できます。わたしの初めての投票は、ト ランプvs.ヒラリーでした。選挙戦が激化する中「投票初めてなの!」 と言うと「・・・ほんとにごめん」と言われたことが忘れられませ ん。笑

2)職種
アメリカの市⺠権を持っていないとなれない職種があります。国家
公務員や地方公務員などなど。アメリカ人だったらFBI捜査官と
かなりたかったなあ。笑
3)アメリカ国家からの保護
例えばアメリカ国外で事件や災難に遭遇し救助が必要な場合、市⺠
権保持者は優先されるらしいです。
4)日本の親族の呼び寄せ
市⺠権保持者は永住権保持者よりもかなり有利。

税金に関しても、日頃生活して納税する分には差異は見られなさそ うです。ただし、富裕層の相続税に違いが。例えば、アメリカ人の 故人の配偶者もアメリカ人だった場合、婚姻控除(Unlimited Marital Deduction)が適用されますが、グリーンカード保持の配偶 者にその控除は適用されません。

そして、市⺠権を取得した後の「グリーンカード」とのお別れですが、これはセレモニー(サティフィケーションをこのセレモニーで授与された時点でアメリカ国籍)のあと、あっさり没収されます。
悪用されても困るので、即座に没収です。

市⺠権取得後は、1ヶ月以内に領事館などへ「国籍喪失届」を提出 しなければなりません。市⺠権取得で日本政府へ自動的に報告され るわけではないわけです。

もしまた日本人に戻りたい!と決断した場合は、「帰化」という形で、条件さえクリアしていればそう難しくなく迎入れてもらえるそうです。ただしその際には、今度はアメリカ国籍を失います。日本は二重国籍を認めていない数少ない国のひとつたる所以です。


ページ担当:キルゴ亜矢

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