2017年11月 美容と健康: Capsaicin と Cluster Headaches

某研究グループの不可思議なリサーチで、
数人の Pre-Med 生徒を対象にして、
それぞれの生徒の鼻の中に、
水に混ぜた Capsaicin (唐辛子の辛味をもたらす成分)数滴を垂らして、
その結果の「痛さ」の度数を1〜10(10が最悪)を訊くと、
激しいクシャミと止まらない涙がおさまったあとに、
殆ど全員が8〜9と応えた(そりゃそうですよね) 
capsaicin.jpg
。。。というところまでは当たり前のResultなのですが、
2日目、3日目と同じテスト(可哀想な生徒さんたち!)を続けた結果、
5日目には、同じ量の Capsaicin水を垂らしても、
殆ど痛みを感じなくなったのです!

生徒さんたちは、
このテストが終わったあとも
Capsaicin に無感覚になったのか?というと、そうではなくて、
1ヶ月ほど経ったあとに同じテストをしたら(可哀想に・・・)、
最初の時と同じように激しく反応をしたそうです。

それは、痛みの感覚を伝える神経線維が
Capsaicin の凄まじい sensation で
「Substance P」と呼ばれる痛み伝達物質を
連日の刺激で使い果たしてしまい、
改めて新しい Substance P の在庫を蓄えるまでは
痛みの感覚を脳まで伝える機能が衰えた、という推測。

そこで、この作用をその他の鎮痛治療に使えないものかと、
リサーチを行ったのが Cluster Headache (群発頭痛)。  
Headache.jpgこの群発頭痛とは、
頭の片側を発作的に襲う強度の頭痛で、
その痛みに耐えられず自らの命を絶つ人も少なくないことから
「Suicide Headache」という別名があるほどの病い。

このリサーチでは、
先の医者の卵たちと同じように、
群発頭痛患者数人の鼻に Capsaicin 水を垂らして
「痛さ」の度数を訊くと、
強度の痛みに慣れて?いる患者さん達の Rating は 3~4 と応え、
これも先のテスト同様、
5日目には Capsaicin水を鼻の中に垂らしても
殆ど痛みを感じなくなっていました。

What’s more? 

このテストを受けた患者さん達の、
頭痛が起こる側の鼻に Capsaicin水を垂らし続けた結果、
発作の頻度が平均して半数に減ったのです! 

そればかりか、
テストを受けた患者さんの半数は、
テストの結果、発作症状が起こらなくなったのです!

様々な副作用がある薬剤と違って、
Capsaicin水の「副作用」は、
最初の数日がつらいことだけですから、
群発頭痛で悩まれる方にとって、
Worth a try の治療法かもしれませんね。

担当: フィカラかこ
参考文献:

How Not To Die
by Dr. Michael Gregor

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