11月賛歌

タンパに暮らして20年余。MLBのスプリングキャンプが集う23月も良いけれど、なんといってもこの地で一年のうち一番快適な月は、11月に思えます。夏の暑さも去り、朝晩の空気がなんとなく穏やかで、軽やかで、気がつくと周りのオレンジやグレープフルーツの実も熟している。 残念ながら紅葉とは縁遠いものの、空も高く、街の色んな所でファーマーズマーケットやクラフトショーやが開かれ、これからのホリデーシーズンへの期待感で雰囲気が華やぎ、モールを行き交う人達の表情も明るく、優しい。 こうした初秋から晩秋の楽しさがこの月に詰まっているような気がします。そんな待ちかねた11月の到来です!古来からも、きっと秋のやわらかで、心和む景色は多くの人に愛されて来ているのではないでしょうか。抜けるような青空の多い秋は精神衛生的にも肉体的にも癒しのシーズンにも思えます。と、大変主観的な、11月賛歌でした。

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改めて12ヶ月の呼び方の由来などを考えてみると、学生時代に暗記させられた旧暦の読み方を思い出します。今月は「霜月」。そういえば睦夫、弥生、さつきなど、生まれ月が名前になった友人達も結構多かったです。クラシックかつ新鮮で、素敵だなって思います。アメリカ人でも、APRILMAYJUNEなど、生まれ月を名前にするケースも多いですね。英語のNovemberは「九番目の月」の意で、ラテン語の「第九の」の意味の「novem」に由来しているそうです。先月号の寿美ハムさんの説明のように、紀元前46年まで使われていたローマ暦の最初の月が現在の3月から始まったため、2ヶ月づつ後ろにずれるということで、3月から数えると11月は九番目ということになるそう。ちょっと不思議な感じもしますね。

17年間勤めた仕事を引退して3年余、引退前は、どんなにのんびりした生活になるだろうと、これまで出来なかったあれも、これもしてみたいと、とても楽しみにしていたのですが、現実としては引退後の方がより忙しくなり、殆ど自分の時間が持てませんでした。一つだけ絶対に続けようと思ったエクササイズは散歩を含め、続けることができましたが、念願だった読書の時間、絵やピアノ、陶芸のクラスも、手が届かないままいたずらに日々が過ぎようとしています。ただ、ここに来て、やっと本を読むという精神的、物理的な落ち着いた時間が持てるようになり、友人に借りたり、ネットで注文したり、図書館に立ち寄ったり、活字の世界を楽しむ余裕が出てきました。灯火親しむ読書の秋でもありますね。喧騒のホリデーシーズンを前に、この時期の素晴らしい陽気とゆっくり流れるようにも思える時間を楽しみましょう!

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