2024年8月号

2024年もこないだ折り返したと思ったら、もう8月。

日本ではお盆休みに、
故郷に「お墓参り」なる帰省をされる方も多いと思います。

アメリカでは学校も始まりバタバタとしているうちに
いつの間にかLabor Dayを迎えられる方が多いかもしれませんね。

お盆はご先祖様の霊を家に迎えて、
供養する1年に1度の行事。

私事ですが、今年3月に、101歳の祖母が他界しました。
大正、昭和、平成、令和と激動の四世代を生き抜いた強い女性でした。

祖母、祖父が暮らした家屋で、
初盆となるため、白提灯を飾ったり、
親戚を集めて法要や会食を行うという知らせが入りました。



ここは、私が幼少期を過ごした家で、
お盆やお正月には毎年親戚皆が集まり、
伯母たちが祖母の指示の元、
腕を振るって作るご馳走の数々と
町の仕出し屋から届くお寿司やお刺身を皆で囲み、
昼間から杯を交わし、暗くなれば大人たちが見守る中、
子供たちは花火を楽しみ、
夜遅くまで笑い声の絶えない団らんが続き、
いつも心待ちにしていたイベントでした。

近くのお寺や神社では、お盆祭りも行われ、
町内会でお盆踊りの練習に出かけたり、
家族や友達同士で浴衣をきておでかけ、
並ぶ夜店をはしごしたりしました。



しかし 時が経ち、時代は、昭和から、平成、令和と
めまぐるしく環境が変わってく中で、
親族が皆で集まることがすっかりなくなっていきました。

それに追い打ちをかけるようにパンデミックが始まり、
それが終息した後でさえ、
みんな年を重ねてか、誰も声掛けをすることがなくなりました。

それはうちだけではなく、
墓じまいが増加しているように、
核家族の増加、少子高齢化社会を反映してか、
親戚家族が共に年の行事をともに過ごすという
古き良き習慣が日本文化から消えつつあるような気がします。



時代の流れゆえに仕方のないことかもしれませんが、
人間である限り、
人との会話、共感など、家族や友人との
コミュニケーションによる「ふれあい」は
人生を豊かをしてくれ、それが自身の大事な財産になると私は信じています。

今回祖母が他界したことで、
通夜、葬式、四十九日と、数十年ぶりに親戚が皆集まり、
祖母を偲ぶ傍ら、
皆それぞれ久しぶりの再会を楽しんだと聞きました。

残念ながら私は祖母の初盆に参加することはできませんが、
この「ふれあい」が消えつつある昨今に、
こうして親族が集う機会を与えてくれた祖母は、
きっと私と同じ思いだったのかなと、
亡き祖母を思いつつ、お盆を目の前にして考えていました。

皆さんはどんなお盆を過ごしていらっしゃいましたか。

土井麻里江 記

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