8月24日土曜日、セント・ピーターズバーグのAl Lang スタジアムで地元サッカーチームRowdiesの試合が行われたのですが、この日のスタジアムはいつもと違う熱気で包まれていました。元日本代表のサッカープレイヤーである山田卓也選手の「米公式戦100試合目」という記念すべき日を祝おうと、地元サポーターはもちろんのこと、チームも大々的に”YAMA100”と銘うっての盛り上がりを見せていたのです。この前人未到の記録試合の日が誕生日だった彼を応援しようと、我々キーライム編集部員たちも行って参りました^^
山田選手への感謝と尊敬を表すかの如く、巨大な日の丸がスタンド席を包んだのを目にした瞬間、その場にいた日本人はみな、なにかを強く感じたのではないでしょうか。3年前、震災支援で立ち上がったタンパ在住日本人たち。同スタジアム初試合で、熱い思いの入った彼の勝利ゴールをみんなで観戦したことを思い出しながら、日本から遠く離れたこのタンパで、大きく揺れる日の丸を見つめていました。
サポーターたちが作ってくれたこの日本の国旗を見た山田選手は、「アメリカに来て100試合、必死に走って来てあっという間でしたが、今日このピッチに立ち スタンドを見上げアメリカの国歌を聞いた時、色々と振り返り涙をこらえるのに必死でした。色んな人に支えられここまでやってこられました。出会った人全てに感謝しています。決して世界のトップリーグでもなくただただサッカーを続けてきただけですが、こんな幸せな気持ちになれるなんて、やはりサッカーは最高のスポーツだなと感激すると共に、沢山の物を与えてくれるサッカーと言うスポーツに感謝しています!!」とコメントしています。今では“Mr. Rowdies”という呼び名すら手にした山田選手、4年前にタンパベイのチームに入って以来、チームのリーダー的存在として昨年はリーグのベストイレブンにも選出され、チームのリーグ優勝に大貢献しました。
新聞などのインタビュー等で誰もが口を揃えて讃えているのが、山田選手のプロフェッショナルとしての意識の高さ。チームの監督曰く「彼こそがプロの典型。練習場までの距離およそ21/2 マイル(約17km)を自転車で通い、必死な20歳そこそこのルーキーと練習を共にする。炎天下の中、過酷な2時間の練習を終えみんながロッカールームに戻ったあとも、彼だけはフィールドに残って15分間の体幹トレーニングを行う。仕事への欲求に飽くことがなく、常に最高の状態を保っている。彼の年齢と経験値をもってして、あの日々の謙虚さには、自分を含めた誰もがはっとさせられることだろう」
普段から気さくで優しくて頼もしい山田氏^^ ここタンパはもちろんのこと、日本中、いや世界中にいるたくさんの友人たちに愛される理由は、プロのアスリートとしての確固たる自分、そして一貫した信条があってのものなのでしょう。そんな人間性が、たくさんの人の心を動かすのではないかと思います。でなければあんな巨大な日の丸を、外国人たちに「Yamaのために作りたい!」と思わせることはできないと、そう思うわけです。
こんな日本人がいるタンパ、やっぱり素敵ですね!!
山田卓也選手から Tampa, Florida 在住の皆さんへ
遠く離れた日本から移り住み、何かと不便も多いここアメリカで日々頑張る皆さんに
サッカーを通じて少しでも勇気や元気を与えられたらと思っています。
そんな中アメリカ人サポーターが中心となり、
あれだけ大きな日の丸をスタジアムに掲げてくれたことに
僕自身とても感動させられました。
今後もスタジアムで皆さんと共に、歓喜をシェアできる事を楽しみにしています!!
山田卓也
まだ試合を観戦したことがない方も、一度スタジアムに足を運んでみてはいかがでしょうか。
Rowdies 公式サイト: http://www.rowdiessoccer.com/
(担当:キルゴ亜矢)