2023年12月号特集 アンケート入門 パート2

11月号に続いて
アンティークのお話をシェアします 

Depression Glass

アンティークストアに通うほど、
他のお宝にも目が行くようになりました。
それがディプレッショングラスです。

 

1920代末期から1930年代後半まで続いた世界的な不況時期、
世界 恐慌の時代に作られた安価なプレスガラスを 指します。 

恐慌時期に気持ちだけでも明るくしようと、
家具には明るい塗装が施され、
ガラスにはカラフルな着色が されて、
中には発色を良くするために
微量のウランを使用したウランガラスも発売されました。
(ウランガラスは、ライトを当てると光ってみえます。) 

フェデラルやヘーゼルアトラスなどの多くのメーカーが、
存続をかけて吸収や合併を繰り返した結果、
同じ柄のものが別のメーカー名で発売されていたり、
メーカー自体がなくなったりしましたが、
驚くほど多くの種類があり、
コレクターも多く存在します。 

安価なもので、
当時はガソリンを入れたらオマケで配られたり、
オマケとして商品の購入を促すモノとして扱われていたようです。
ですが、40年以降景気回復とともに
ディプレッショングラスは 存在価値を薄めていき、
中には恐慌時代を思い出させる忌まわしき物として
割って棄てられてしまうものも多かったそうで、
現在に残る数が少なくなり希少価値が高くなりました。
ピンクやグリーン、ブルー、イエロー、& ホワイトなど綺麗な色目の裏には、
こうした壮絶な歴史が秘められています。 

デプレッショングラスに関する本は山とあり、
様々なパターン、色、種類などが掲載され、
コレクターの多さを実感します。
個人的にはグリーンが好みでそればかり集めましたし、
特に青磁色のファイヤーキングは、
この色に魅せられて好きで好きで堪りません! 

色的にはピンクも可愛いし、
ブルーの色合いも 、何とも言えない美しさです。 

中には富裕層向けに配られたらしい、
高価なディプレッショングラスもありますし、
本当にアンティーク沼に入ってしまうと、
あれもこれもと欲しくなって、どこで線を引いて諦めるか。。。
予算と自分との闘い。 

一時は夢中になって、
友人たちを 巻き込んでアンティークハントに出かけた日々も
楽しい思い出となっています。
ただ、ここ数年はEBAYの普及により、
残念なことに、小さな鄙びたアンティークストアが、
町から次々と姿を消していったのは残念でなりません。
フロリダだけでなく、
アメリカを旅してそれぞれの土地でアンティークストアを発見するのも、
旅の楽しみのひとつでした。 

まだまだアメリカ、フロリダ各地には
アンティークストアも存在していますし、
お時間があれば寄ってみて
ご自分の好きな物を探してみては如何でしょうか?
きっと楽しい経験となると思います。
このところアンティーク熱は冷めていたのですが、
また出かけて、素敵なお宝に出逢いたくなりました。 

日本でもこうした西洋骨董のファンは多く、
本も沢山出版されています。
ファンのバイブルとも言える「スージークーパーのある暮らし」、
料理研究家でご自身で骨董店を営んでおられた大原照子さんの本、
デプレッショングラスの人気者ファイヤーキングを集めた本などなど。 

どれも美しい写真と詳細な説明で、
ページを捲るごとにアンティークの夢の世界にいざなってくれますし、
食器だけでなく、この本達も大事な宝物となっています。

ページ担当:ハインズのり子

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