2022年11月号特集:国民年金受給によるSSA減額について(パート1)

2018年5月、6月号で
日本の年金&ソーシャルセキュリティ受給者を悩ます
3つのハザードという記事で
ご寄稿を頂きました市川様(海外年金センター)から
この件に関しまして新たな情報を頂戴いたしました。

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紙面の関係で一部省略となりますが、
私共にとって何よりの吉報です。
かねてよりこの問題について
精力的に活動なさっていらっしゃる市川様、
その活動、そして今回のご寄稿本当に有難うございます。
SSAからの吉報!! 

国民年金はWEPの適用外と決定!!
SSA(米国社会保障庁)から2022年7月1日付けで、
日本の国民年金は
WEP(Windfall Elimination Provision棚ぼた条項)の
適用対象外であるという通知が、
Strategic and Digital Communications 室の
Jeffrey Buckner長官補名でメールで
関係先に発送されました。

突然の吉報がもたらされました。

注: WEPとは、日米の年金を受給する
米国年金の一部が
最大月額$512減額されるというSSAの規定。
適用対象は「勤労」に基づく年金で、
「居住」に基づく「年金」は適用外。
しかしながら実体は
「居住」に基づく国民年金も減額の対象となっており、
この誤適用を解消すべく
「海外年金相談センター」は活動して来ました。


通知によれば:

1) SSAは日本の国民年金受給者で
WEP適用者の給付額の計算方法のレビューを行った結果、
日本の国民年金(Japan’s National Pension)は
居住に基づく年金であり、WEPを適用しないと決定

2)日本の国民年金受給者で、
現在WEP適用の対象となっている方の
記録をレビューし修正する

3)その結果、受給者に還元すべき年金給付があれば、
自動的に支払をするとの3点が記載されています。

以上の基本方針が広報されたわけですが、
詳細は不明で、今後確認して行く必要があります。

Japan’s National Pensionは
「老齢基礎年金」部分に該当すると思いますが、
その定義やこれまでの誤適用者への返還金の算定方法、
返還スケジュール、新しいルールの適用開始日
及びガイドラインがどのように広報されるのか等々です。

振り返れば、私がWEP問題を知ったのは、
外務省が始めた
「領事シニアボランティア制度」の第1期生として
2003年から2006年NY総領事館で勤務していた時でした。

2008年外務省に対して
「日本の年金のWEP適用除外」の要請をしましたが、
「他国の制度に関する問題である」の回答で終わり、
以降はもっぱらWEP制度の広報活動に努めることになりました。

WEPについて全米の日系紙、
日系人会への投稿や訪米しての講演を重ねました。

殆どの方が初めて知る規定で、
納得できない減額に驚かれ義憤を覚えられました。

ソーシャルセキュリティーの受給申請をしたら、
突然大切な老後資金が減額される事実を知り、
嘆かれる声も多く寄せられるようになりました。


2016年国民年金に対するWEPの適用で
米国年金が減額された方から相談を受けた際、
SSオフィスに減額の根拠の確認を勧めました。

本部に問い合わせた上での
オフィスからのレターによる回答は、
本部は国民年金はWEPの対象との回答ですが、
自分たちは対象外であると思うという
じつにフェアーなものでした。

私はその回答に動かされ、
「国民年金へのWEP誤適用問題」に
本格的に取り組むこととなりました。


今回の発表は、日米から年金を既に受給してる方、
将来受給する方にとり、老後の貴重な財産の確保や、
老後の生活設計が可能となる
大きなインパクトをもたらすものであり、
官民が協力して取り組んだ大きな成果と言えます。

これまでの皆さんのご支援、ご協力に心から感謝します。

また前述の通り今回の決定の詳細が不明ですので、
皆さんからの参考情報をお待ちしています。


「海外年金相談センター」では
5名(3名は米国在住)のボランティアメンバーで
本件誤適用問題に取り組んでいますが、
最終決着がつくまで頑張りますので、
引き続き皆様のご支援をどうぞ宜しくお願い致します。

海外年金相談センター
市川俊治
http://nenkinichikawa.org
E-Mail shunjiichikawa@gmail.com
〒162-0067
東京都新宿区富久町15番1-2711号
TEL&FAX 03-3226-3240

ページ担当: ハインズのり子

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