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He She は「彼」「彼女」でよいのか???

毎日イヤというほど頻繁に使う言葉に最近考えさせられた話を一つ・・・。
He & She.jpg 
筆者は現在日本語を教えているのですが、初級のクラスのクイズやテストを作成するときにいつもひっかかるのがHeとShe、つまり彼と彼女。何がひっかかるかというと、日本語を普通に話す際にあまり「彼」「彼女」という言葉をつかわないということに気づいたからです。そこで「彼」と「彼女」について少し調べてみたところ、元々の日本語の「彼」というのは「黄昏」の語源となっている古語の「誰そ彼」のように、単に「あれ、あの人」という意味を表す言葉だったようです。

彼彼女という言葉ができたのは比較的最近で、明治期に英語からの翻訳の際に英語で言う「he」や「she」を翻訳するために、「彼」が再利用され、第3者の男性のみを表すようになり、対語として「彼女」という新語ができたのでした。つまり、「彼」、「彼女」という言葉は便宜上作られた「あの人、あれ」という意味で、敬意は含まれていないことになります。だからかどうかはわかりませんが、私が使っている教科書には、少なくとも最初の方のチャプターに「かれ」「かのじょ」という言葉が全く出てきません。 He & She (2).jpgのサムネール画像それに気づかず、私は日本語訳のクイズで当然のようにHe is a student of ……という問題を出したところ、一人の学生が「ヘさんは・・・・・」という訳をしたのに苦笑したものでした。この学生は、単にHeを「へ」という名前だと思ったようです。「彼」という日本語が教科書の最初の方には出てこなかったのは事実なので、私は注釈をつけた上で点数はあげたのですが、なんともまぁ、妙なかんじでした。毎日ゴマンと耳にするHeとSheですが、尊敬語、謙譲語をわきまえた上で日本語に訳すときにはそのまま「彼」「彼女」でよいかどうか、ちょっと立ち止まって考えてみる必要があるかもしれません。