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Estate Planing(相続プラン)について

last-will-testament.jpg今月は、Estate Planning についての特集です。 日本人にとって、この分野は、ファイナンシャルプランニングの中で、最も複雑に感じ、多くの方々が放置している分野ではないかと思います。 その複雑さの原因には・・・

 

  1. 日本では存在しない概念、用語が多く、特にその法律用語が難解である。
  2. 資産相続に関するUnified gift & estate tax systemという税制がとても煩雑な上、アメリカ国籍を取得していない日本人は、外国人配偶者への相続という特例について知る必要があるが、その情報は容易に入手、理解できない。

等が挙げられると思います。

今回は、Estate Planningとは実はどういう事なのか、まず第一に何から始め、そして、専門家に相談に行く際に知っていれば役立つ基本的な情報をご紹介します。

Estate Planning とは・・・

誰もがいつか迎える死に備えてのファイナンシャルプランニングです

個人が所持している資産をEffective(希望する遺族に確実に譲渡出来る有効性がある)かつEfficient(無駄なく、短期間、低コストで効率よく譲渡する)に遺族に譲渡する為には、生前からの準備が必要です。 何の準備もない場合、子供の後見人、資産の譲渡先、配分など全てを州に委ねる事になります。 節税のみに関心がおかれる Estate Planning ですが、実はその目的は、次のように、もう少し広い意味があり、それぞれが関連した一連のプロセスといえます。

 

  • 資産を希望する遺族に確実に譲渡する
  • 資産譲渡に課せられる税金を最少にする
  • 資産譲渡に関わる費用(裁判費用、弁護費用等)を最少にする
  • 最大の資産を遺族に残す
  • 死亡時に必要な流動資産を確保する
  • 自分の意思にに沿ったヘルスケアの選択によって、最期を迎える


一度立てたプランニングでも、結婚、離婚、出産、親族の死等の人生の節目には、再度見直しアップデートをする事も重要です!

 

Will(遺言書)の限界

遺言書を作る事が、Estate Planning の第一歩である事は、皆さんご承知だと思いますが、これは全てを解決してくる方法ではありません。 遺言は、自分の意思を残す正式な書類に留まるもので、Probateという検認裁判のプロセスを避けられません。 一般的な問題としてよく聞く例は、遺言に記されていない親族や債権者が故人の意思に異議を申し立て、長期の裁判に入っていくケースです。 そうなると裁判が数年に渡り、高額な裁判費用がかかります。 特にNon-Traditional couples(入籍しないで住居を共にしている男女や同性愛者)が互いに資産を譲渡しようと遺言を残した場合、血縁関係のある親族が裁判所に異議を申し立てるのは、一般によく聞くケースです。 遺言書に留まらず、より入念なプランニングが必要です。

Probate(検認裁判)を経由しないで
資産を譲渡できるものは、そうしましょう!

Probateを避け、最も確実に迅速に資産譲渡をする一般的な方法は、大まかに次の3通りです。

  1. Title(所有権): 資産を Joint tenancy with right of survivorship (共同名義で資産を所有し、所有者の一人が死亡すると自動的に残りの所有者に権利が譲渡される)や Pay on Death Account(銀行等の口座に、Beneficiary《信託受益者》を指定しておくと、
    口座所有者が死亡した後、資産が自動的にBeneficiaryに譲渡される)で
    所有する。
  2. Contract(契約): 死後は、生命保険、年金等(Pensions,Annuities, 401K, IRAs)のBeneficiary(信託受益者)に自動的に資産が譲渡されるので、よく考えて確実に譲渡したい人の名前を明記し、家族構成の変更が生じたら見直しとアップデートを怠らない。
  3. Trust(信託): 簡単にいうと、所有権を信託に移し、自分の資産総額から除外するという方法で、主に節税目的に使われますが、その方法と種類によって課税や資産運用の柔軟性が異なるので、自分の意思や目的が明確でないと、どのタイプのトラストを選択すべきか困惑します。 専門家によるアドバイスと手続きが必要なので面倒ですが、遺産税免除額を超える多額の資産を所有する方にとっては、大変重要です。(*ここでは詳しいTrustの種類とその説明を省きます)


Estate Planningの重要性を認識する例

例1: 上記の1.或いは2.の方法で資産を所有していた人が、後に意思が変わり、遺言書では異なる遺族名に資産を残したいと記して死亡し矛盾が生じた場合、1.Titleと 2.Contractが優先され、遺言書の意思は却下されます。

例2: Elvis Presley(エルヴィス プレスリー)の遺言書と遺産相続の例。 教科書に載っている有名なケースで、彼は数ページに渡って詳細を記した遺言書を残していたにもかかわらず、1977年当時、10億ドル以上所有していた資産の大半を、長年に渡るProbate費用(2億ドル以上)、遺産税(3億ドル以上)に費やし、遺族に譲渡されたのは、わずか27%の2.7億ドルと言われています。 これは、Trust等のプランニングを欠いていたための、有名な失敗例です。

 

(ベイ陽子さん)